環境学習サイドプログラム

  • どこからゴミなの古新聞
  • ごみカルタ
  • 産業埋め立て体験
  • みずの汚れを取ってみよう
  • それでも100円傘を買いますか?

どこからゴミなの古新聞

所要時間25分 中学年以上

自分の頭で「考える」「考えてみる」プログラムです。

ごみってなんだろう

このゲームは教えるプログラムではありません。意見を出し合っていく中で、「ごみってなんだろう」「どこからがごみなんだろう」「ごみ箱に入れた時?」という大人でも答えが出せない問題に「ある気づき」が生まれます。
きっかけは1枚の新聞紙。ゲームのように破っていくのは、子どもたちに説明はしませんが「個人消費」を表しています。ひとりくらいですが「気にいったので手元にとっておきたい」人もいますが、友達と交換したり、数がまとまると「古新聞合戦」も楽しめます。さあ、ここからが一度不要になった物の価値の再発見です。
「ごみカルタ」「セメント作り」の前にこのプログラムをしておくと、資源循環の理解が深まります。
使うものは古新聞だけで、単純なゲーム形式ですが、開発委員や専門家の「ごみのプロ」もプログラムが仕上がってみてびっくりの深い内容です。

ごみカルタ

所要時間25分 高学年以上

語呂合わせじゃない

高学年向きのクイズゲームです。工業製品には、機械、化学、鉄鋼などの重工業製品と、繊維工業、そして身近な食品工業とエネルギー産業があります。副生物がそれぞれに発生している推理を、製品カードと原料カードを見比べ組み合わせるものです。グループで意見を出し合い、あれこれ悩む時間がモノ作りへの興味や、資源循環環境への関心を引き出していきます。

カルタのねらい

子どもたちには、正解にたどりついてほしいというより、自然資源の活用の上に現代社会が成り立っていて、社会の教程でいえば、日本は、必要な自然資源を得たい場合、多くは輸入に頼っていることに関連させたいところです。ごみカルタで、「資源循環の大切さ」の分類を説明する「3R活動」や、園児でも知っている「水道の出しっぱなし、電気の点けっぱなし」の上をいく「もったいない」をいっしょに考えましょう。

産廃埋め立て体験

所要時間5分 中学年以上

「学校の校外学習で、鉄を作った」という体験だけに留まらないためにも、組み込みたいプログラム。

「鉄づくり」で産廃を出すことも稀少な経験ですが、それでできた副生物の固まりを見つめる限り、どうみても金属分を含んでいますし、捨てる方法に疑問を感じます。どうしましょう。原則では管理型最終処分場に処分するには国が発行する廃棄物伝票が必要ですが、君津環境整備センターの協力で「自分で産廃を捨てに行こう」が実現しました。国内でこのような学習機会を提供しようとする話を聞いたことはありません。このプログラムしか経験できない体験です。
自分で広大な処分場の縁に立ち、大型の重機が往来する場所は一般にはインパクトのある体験ですが、自分の出した廃棄物を処分埋立を託せる安心感を感じてもらうのがねらいです。
産業廃棄物の正確な理解、資源循環の大切さに実体験を伴うことは、環境の次世代を担う子どもたちにとって、「学校の校外学習で、鉄を作った」という体験だけに留まらないためにも、組み込みたいプログラムです。

水の汚れを取ってみよう

所要時間15分 中学年以上

浄水を体験

底に貯めた汚れた水には汚染物質も含まれています。いくつかの浄水工程のうち、「凝集沈殿方式」を体験することで、浄水作業を実際に実験してもらいます。
校外学習限定 汚水が持ち出せないので出張授業ではできません。

処分場の汚水

住みやすい社会に必要な社会インフラとして、ふだんの生活では気づかないものに廃棄物の埋め立て処分場があります。貝塚は千葉県内にたくさんありますが、人類は不要なものは目に着きにくい場所に埋める習慣があります。地球の環境に影響を与えるようになったのは、人口の膨張、産業革命による工業化によって「埋める習慣」では間に合わなくなってきました。
最新の環境技術満載の近代設備を誇る君津環境整備センターによれば、「社会全体でごみ減量」「焼却して体積を減量」「溶け出さない工夫」をして環境負荷を少なくした上で埋立をするしくみになっています。広い埋立地の底にある秘密が……。

水も漏らさぬいいシート

広い埋立地の底と側面には廃棄物埋立層と地盤を完全に隔てるシートが貼ってあります。この技術が遮水構造技術です。処分場の設計において地下水層への浸食をゼロにしようとする考えはおよそ10年前から起こりましたが、今後新設されるとしたらこの構造を省いたものはありえないでしょう。ロールシートの貼り合わせを完全にする工夫はゴムシートの材質にヒミツがありました。溶接実演をご覧にいれます。

穴がふさがる魔法のシート

特殊ゴムの遮水シートは2重構造で、クッション材やセンサー、人工粘土層を含め6枚、計7層構造ですが、2重シート間に「自己修復シート」を挟みこんで、最終的に8層構造にしています。ここまでの重装備は世界で君津環境整備センターぐらいです。この「自己修復シート」は亀裂や穴が開いても、ただちに水分を吸収、体積を膨張させ、穴を塞いでしまうものです。実演ではシートにアイスピックで穴を開け、水漏れが止まる様子を見ていただきます。

それでも100円傘を買いますか

所要時間25分 中学年以上

進行の基本は、黒板にマグネットペーパーを貼りながら説明する座学形式ですが、意見交換を取り入れながら行います。

モノ作りが得意だった日本人ですが、私たちが身につけている洋服や身の回りの品、家の中にあるもののうち、どのくらい日本で作られているでしょうか。とくに安価で手に入る衣料チェーン店や100円均一店の工業製品はメードイン外国です。日本でのモノ作りと外国のそれを比較し、この10年、環境先進国として廃棄物処理・処分への大きな進化が製造コストに含まれている指摘をします。
安いもの、ありがたい、失っても壊れても惜しくない、不要なものを買ってしまうモノを大切に長く使うなら、手入れをして使い続けられる良いものを買おう。消費者、生活者として資源循環型社会の形成に貢献する「生活態度」に気づきを与えます。
途上国の大量のウェイストピッカー(埋立地内に住み、ごみ山から売れるものを拾い出して生計を立てている人)を、昨年アラックスが撮影してきたインドネシアの例で説明します。先進国が衛生管理が不在の国にモノ作りを依存すると地球の一部ではこのようなひずみが生まれることを紹介します。

「もういちど聞きます」
「それでも100円傘を買いますか?」