第3水処理施設

施設概要

第3水処理施設ではカルシウム成分、有機物および窒素成分、難分解性有機物、懸濁物質、色度成分・COD成分、重金属、フッ素・ホウ素、塩類、微生物等を総合的に取り除くことができる水処理施設です。

浸出水⇒処理水

カルシウム除去処理

全水処理工程におけるスケール障害を防止するために上流部で除去します。なかでも電気透析装置へのカルシウム固着は避けたいため、浸出水中に含まれるカルシウム成分を除去します。

カルシウムイオンを炭酸カルシウムとして析出させるため、浸出水に薬品を注入しアルカリ性に傾け、そこに凝集剤、凝集助剤を用い沈降させます。

生物処理・凝集処理

活性汚泥による処理と凝集沈殿処理を一体化させた工程になります。有機物およびアンモニア等の窒素成分を効率的に除去します。

窒素成分の除去は「循環脱窒方式」を採用し、高い窒素除去率を確保します。沈殿槽を用いた方式でありながら、活性汚泥を高濃度に保持可能なシステムで、COD成分も除去可能です。

生物処理・凝集処理

脱窒槽

槽内を嫌気に保ち、バクテリアの働きによって硝酸態窒素を無害な窒素ガスにしていきます。

硝化槽

ばっ気をすることで好気性に転じ、バクテリアの働きによって有機物の酸化分解とアンモニア態窒素を硝化します。また硝化槽から脱窒槽へポンプで循環させる「循環脱窒」を採用しています。

二次脱窒槽

再び嫌気性に戻し、メタノールを注入しながら残った硝酸態窒素を窒素ガスとして放出除去します。

再ばっ気槽

メタノールの余剰分をバクテリアによって酸化分解させます。粗気泡で攪拌することで、活性汚泥中の微細気泡を飛ばし、後段の沈殿槽の分離効率を向上させます。

脱気槽

PHを弱酸性に調整し、凝集剤を注入し、活性汚泥中の気泡を飛ばします。

第2混和槽

アルカリを注入しPH調整をして、急速攪拌により凝集フロックを作ります。

第2凝集沈殿槽

凝集フロックを凝集助剤で沈降させ上澄水を得ます。沈降した活性汚泥は下部から引き抜き、脱窒槽に返送して生物処理のバクテリア濃度を維持します。余剰汚泥は汚泥貯留槽に移送し、脱水処理後場内に埋立します。

フェントン処理

高い酸化力を得られるフェントン反応を活用するため、過酸化水素と硫酸第一鉄を反応させ、発生した強酸化性物質で難分解性物質を分解させていく工程になります。後処理の活性炭処理の負荷を減らすことにも貢献しています。

フェントン処理

酸性凝集タンク

上澄水に改めて凝集剤を注入します。薬品を投入して酸性に傾けることで、高分子有機物の一部を凝結させます。

第1反応槽

フェントン反応の準備のため過酸化水素を混合します。

第2反応槽

硫酸第一鉄を注入しフェントン反応を起こさせ強力な酸化力によって有機物を分解させます。

第2中和槽

苛性ソーダで強酸性を中和します。

第3凝集沈殿槽

凝集フロックを凝集助剤で沈降させ上澄水を得ます。沈降した凝集汚泥は下部から引き抜き、汚泥貯留槽に移送します。

高度処理

懸濁物質、色度成分・COD成分、微量な重金属、フッ素、ホウ素を必要に応じて除去していきます。

高度処理

砂ろ過処理設備

アンスラサイト・ろ過砂・砂利で構成されています。残存する懸濁物質を除去します。定期的に処理済のきれいな水を通水し洗浄することができます。

活性炭吸着設備

活性炭の細かい隙間に色度成分、COD成分を吸着させます。

キレート吸着塔

キレート樹脂を用い活性炭吸着処理水に残存する微量な水銀、鉛、カドミウムなどの重金属を除去します。水銀用と重金属用の2塔を直列に通水します。

フッ素・ホウ素除去処理設備

フッ素除去処理設備はイオン吸着樹脂を用い、ホウ素除去処理設備はキレート吸着樹脂を用い、それぞれを吸着除去します。

脱塩処理

塩類を除去する必要があるときに使用します。塩化物イオンを選択的に分離、濃縮します。第3水処理施設では電気透析脱塩装置を採用しました。

脱塩処理

MF膜装置

MF膜装置

微細な懸濁物質が電気透析脱塩装置に流入しないようにするための前処理工程になります。

電気透析脱塩装置

イオン交換膜と電気の働きで溶液中のイオン性物質の脱塩を行い脱塩水と濃縮水に分離します。脱塩水は最終工程の滅菌処理工程に送られます。濃縮水はアルカリを混ぜて中和し濃縮水貯槽を経て、乾燥固化装置へ送ります。

電気透析による脱塩処理の仕組み

「陽イオン交換膜」と「陰イオン交換膜」を「陽・陰・陽・陰」の順に並べ、その両端に1対の電極を配置します。

電気透析槽の脱塩室に、処理水を注水し電極に電圧をかけると、陽イオンである「Na+」は陰極(-極)に向かい、「陽イオン交換膜」を透過して右隣の濃縮室に移動しますが、濃縮室の陰極側は「陰イオン交換膜」で仕切られているために右隣の脱塩室に移動することはできません。

同様にして陰イオンの「Cl-」は脱塩室から左隣の濃縮室に移動します。この結果、脱塩室では処理水が脱塩され、中央の濃縮室に塩分が濃縮されます。

図:AGCエンジニアリング提供

滅菌処理

大腸菌等を除去する必要があるとき使用します。紫外線ランプで覆われた透明管に通水し殺菌します。

滅菌処理

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