第1?処理施設

施設概要

第1水処理施設では生物処理をした後、物理化学的処理をします。また処理水の一部は第2水処理施設に送って脱塩処理をします。

生物処理工程

「生物処理工程」はバクテリアによって、浸出水に含まれる汚濁物質のうち有機物や窒素化合物を分解して無害化します。

この生物処理工程は4工程で構成され、
バクテリア(BOD酸化菌)に有機物を摂取させ体内で無害な炭酸ガスと水に分解させる①「BOD酸化工程」、次に
別種のバクテリア(硝酸化菌)にアンモニアや窒素化合物を摂取させ体内で硝酸にする②「硝化工程」、続く
別種のバクテリア(脱窒素菌)に硝酸を摂取させ、体内で窒素に変換、空気中に無害な窒素ガスとして放出する③「脱窒工程」、そして
残った有機物質をバクテリア(BOD酸化菌)で最終処理する④「再曝気(ばっき)処理工程」に区分されます。

生物処理工程の流れ

各生物処理槽の水

①BOD酸化槽 ②硝化槽 ③脱窒槽

水処理プラント監視室

生物処理を終えた水は次の沈殿分離工程で処理水とバクテリア汚泥(余剰汚泥)に分離します。処理水は、次の処理工程に送ってさらなる浄化処理をします。沈殿汚泥は脱水機で脱水処理後埋立処分場に戻します。

化学酸化処理工程

化学酸化処理工程では、生物処理工程で処理できず残存している難分解性有機物(難分解性COD成分)を処理します。
化学酸化処理工程は、前段の「酸性凝集処理工程」と後段の「化学酸化処理工程」から成っています。
前段の「酸性凝集処理工程」では、生物処理水を酸性にして鉄塩を注入して凝集沈殿処理すると難分解性有機物(COD成分)の一部が鉄水酸化物に吸着して沈殿分離除去します。
後段の「化学酸化処理工程」では、酸性凝集沈殿処理水になお残存している有機物(COD成分)を、酸化剤(過酸化水素水)と触媒(塩化鉄水溶液)を注入して酸化分解処理して触媒とともに凝集沈殿分離除去します。

化学酸化処理の流れ

それぞれの段階で異なるCOD成分を凝集します。

化学酸化処理後の処理

①BOD酸化槽 ②硝化槽 ③脱窒槽
酸性凝集処理水に酸化剤(過酸化水素水)と触媒(鉄塩水溶液)を所定量添加   数分攪拌すると化学分解反応 で有機物が分解される   凝集沈殿処理で、分解処理水 と触媒由来の鉄水酸化物を沈 澱分離除去し清
薬品タンク

高度処理工程

高度処理工程では、これまでの一連の処理工程で除去できない微量の残存成分を排水基準値以下に除去します。 高度処理工程は大きく分類して、
①放射性セシウムをゼオライト吸着設備で「吸着処理」、
②難分解性CODを活性炭で「吸着除去」、さらに
③重金属類とフッ素とホウ素をそれぞれキレート樹脂で「吸着除去」する3工程で構成されています。

高度処理の流れ

ゼオライト吸着処理工程

ゼオライトは含水ケイ酸アルミニウムを主成分とする鉱物で、立体網目状構造の孔があり放射性物質のセシウムを選択吸着する性質を有しているためセシウム処理に広く使われています。

君津環境整備センターでは、廃棄物の受入と取扱いに厳格な管理基準を設け対応していますが、浸出水に放射性物質が溶出した時に備えゼオライト吸着塔を設置しています。

活性炭吸着処理工程

これまでの処理工程でも処理できなかった微量の有機物(COD成分)を粒状活性炭で高度に吸着処理します。ここまでの一連の処理によって、浸出水に含まれていた有機物や窒素化合物は排水基準値以下に除去処理されます。

フッ素ホウ素処理工程

微量に残るフッ素化合物とホウ素化合物を、フッ素吸着用キレート樹脂とホウ素吸着用キレート樹脂という特殊なイオン交換樹脂を充填した吸着塔に通水して排水基準値以下に除去します。設備はⅡ期信術水処理施設に設置されています。

重金属処理工程

水銀化合物や重金属類は、この段階で既に処理をするまでに至らない量になっていますが、残存する場合に備え水銀吸着用キレート樹脂と重金属吸着用キレート樹脂という特殊なイオン交換樹脂を充填した吸着塔に通水して排水基準値以下に除去します。